みどりによる
穏やかな雰囲気づくり
「造園」と聞くと屋外の庭園を想像しがちだが、阪神園芸の仕事は屋内にも及ぶ。その業務を一手に担うのが緑化装飾部だ。オフィスや商業施設など、屋内の観葉植物やフェイクグリーンの装飾業務を中心に、法人向けの花の手配や商業施設の季節装飾なども行っている。
今回取材で訪れたのは、大阪梅田ツインタワーズ・サウス12階の「WELLCO(ウェルコ)」。入居企業のワーカーが思い思いに使えるフロアで、カフェやラウンジ、フィットネスなど、働く時間を心地よく過ごすための設備がそろっている。取材時には、コーヒーを楽しみながら会話する人、静かに作業に向かう人など、自然体の姿が見られた。なかでも目を引いたのは、空間を包むように置かれた豊かなみどり。ソファや眺望のよいカウンター席には、視線をやわらかく遮るように植物が配され、穏やかな雰囲気をつくり出していた。
“ちょうどいいみどり”が、
心をふっとゆるめる
「植物やグリーンをワークスペースに取り入れるのは、近年ではマストになってきています」。そう話すのは緑化装飾部の田村達哉さん。みどりは多すぎても少なすぎても良くなく、作業動線を妨げない“ちょうどいい量”にすることが大切なのだという。視界に適度なみどりが入ることで、働く人の心がふっとゆるみ、リラックスやリフレッシュにつながる。オフィスにみどりを取り入れたことで、「オフィスに行きやすくなった」「雰囲気がよくなった」といった声も増えたそうだ。
「みどりは単なる装飾ではなく、空気を整え、視線をやわらかく遮り、集中力を高めるなど、さまざまな恩恵をもたらしてくれる存在です」と田村さん。環境に合った適度なみどりがそばにあるだけで、空気が澄み、気持ちの切り替えがしやすくなる。
みどりは空間の表情を豊かにしてくれるだけでなく、働く人の日々の気持ちを支えるパートナー的な存在なのだ。

みどりは忙しさの中に
余白をつくる存在
思い思いに過ごすワーカーの方々を邪魔しないよう、静かに作業していたのは、緑化装飾部の江口昌宏さん。「今日行っているのは、レンタルいただいている観葉植物の定期メンテナンスです」と話す。水やりや葉の埃取り、傷んだ部分の手入れを行い、弱った株があれば温室で管理している植物と交換するという。「場所によって暗さに強い種類を選んだり、空調の影響を受ける場所には乾燥に強いものを選んだりなど、植物が心地よく過ごせる環境を考えながら配置しています」と江口さん。
「生の植物は1~2週間でも表情を変え、光を求めて成長します。ワーカーの方から“この子元気になったね”や“葉っぱの向きが変わったね”とお声がけいただくことも増えました」。同じ室内で、人は働き、植物は育つ。その変化に気づく距離感が、室内ならではの豊かさを生んでいるのだろう。みどりに囲まれて働く時間は、忙しさの中に静かな余白をつくり、人の心に穏やかさと集中する力をもたらしてくれる。
















