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大阪梅田ツインタワーズ・サウス

企画・デザイン 施工 メンテナンス 情報発信
商業施設
大阪府大阪市北区梅田1丁目
2022年2月
Client:屋上・壁面の緑化施設は阪神園芸株式会社が所有

「みどり」を核にした街づくり

2022年2月にグランドオープンした「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」は、大阪神ビルディングと新阪急ビルを解体し、阪急阪神として一体的に建て替えた商業オフィス複合ビル。当社はこの建て替えプロジェクトにおいて、計画段階から携わり、設計・工事、完成後のメンテナンス、そして「梅一グリーンプロジェクト」と銘打った「みどり」を通じた街の活性化にも取り組んでいる。ファサードの壁面と屋上広場の緑化施設は阪神園芸の資産であり、都市環境下に適した樹種や植栽基盤と、地域の生態系に配慮した植物で構成し、常駐のガーデナーが丁寧に手入れすることで、大阪梅田の玄関口にふさわしい景観となっていると自負している。

横幅240m、面積は約700㎡にも及ぶ壁面緑化には、六甲山と淀川水系に由来する植物で構成したメッシュプランターを478基配置
ビル12階にある屋上広場の広さは約760㎡。大都市の中で静寂や、鳥のさえずりを楽しめる隠れ家的な場所
ビル12階にあるオフィスワーカー専用スペース「WELLCO」。専門知識をもったスタッフが丁寧にメンテナンスをすることで、室内にいても植物を身近に感じてもらえる
ビル東側地上部に天然樹木のベンチでくつろげるスペースを提供。仕事途中やショッピングの合間で一休みする人も。ケヤキの緑陰が心地良い
まずは身の回りのデスクから植物に親しんでもらえたらと始めた、「苔テラリウムワークショップ」は参加が抽選になるほどの人気イベントに。
梅田エリアでの当社の取り組みを一緒に巡ってお伝えする「グリーナブルツアー」
2022年のオープン以来、ビルにはさまざまな生き物が訪れる。時には大阪府レッドリストに載っている生き物を見かけることも
オフィス棟の南側1階部分に「みどりのコンシェルジュSTATION」と銘打った、ガーデナーの仕事を紹介するスペースを設置。当社のガーデナーが実際に使う道具を展示したり、「みどり」のもたらす環境効果について情報発信をしたりしている
  • 企画・デザイン
    大阪梅田の玄関口にふさわしいファサードに
    大阪梅田一丁目という厳しい都市環境のなか、みどり豊かなファサードを実現するために数多くの議論や検証を重ねた。阪急阪神沿線の自然である六甲山系、淀川水系の樹種の中から、日照条件が良い東側には陽樹を、日照条件が悪い北側には耐陰性のある樹種を、そして西日が強い西側には乾燥に強い樹種を選定している。また当社の独自技術であるプランター「メッシュプラス」を採用し、土壌水量や温度、養分量を監視。異常時は管理者にアラートを発信し、遠隔で水やりの操作ができる灌水システムも開発した。
  • 施工・工事
    地域のランドマークとなる緑化施設に
    壁面、屋上の樹木は地域由来の六甲山系、淀川水系の中から、厳しい都市環境に馴染み、生育するかどうかを5年間かけて実証実験を行い、樹種をセレクトしている。またオープン後のメンテナンス方法についても安全に適切な作業ができるよう、様々なシミュレーションを行っている。壁面に設置したプランターの数は約500基。地域のランドマーク、当社のフラッグシップとなる緑化施設を目指し、選りすぐりの技術者がそれぞれの力を発揮して、作業を行った。
  • ガーデナー
    すべての生き物に心地よい都会のオアシス
    ビルの植栽管理を行いながら、みどりのワークショップやグリーナブルツアー等の活動を通じて、“梅田のみどり”について日々情報発信をしています。お買い物に来られたお客様やビルのオフィスワーカーの皆さんからも「きれいに咲いたね」とお声がけいただけることも増え、とても嬉しく思います。また、人だけでなく大阪府のレッドリストに載っている希少な昆虫や野鳥なども来てくれています。色んな生き物にとって心地よい場所になるよう、これからもしっかり手入れをしていきたいと思っています。